人を知る

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製品開発(システム・
電気電子) 
J.E
(2018年1月入社)

堅実に、論理的に。
根拠と向き合う仕事。

技術を積み上げる設計への転身

自動車に搭載される電動パワーステアリング(EPS)の開発に携わっています。EPSはドライバーのステアリング操作を電動モーターで補助する製品で、その中でもモーターを制御する基板周辺の部品や、その基板を収める筐体の開発が主な業務です。

前職では家電製品の筐体設計担当に長年身を置いてきましたが、スピードとデザイン性優先の短納期開発で走り続けるスタイルよりも、一つずつ技術を積み上げていくような設計がしたいと思うようになりました。そして、一つ一つの形状や仕様に対して明確な根拠が求められる自動車業界、NSCIに転職しました。

まず実感したのは、企画段階から量産開始まで1年かからない家電製品に対し、3~4年の期間をかけてようやく一つの製品が出来上がるという開発速度の違いでした。また、設計していくにあたって、試作ステップ毎に必要となる成果物, 設計書類(エビデンス)が設計プロセスとして細かく定められているところにも驚きました。

ここまで詳細なステップを踏む必要があるのだろうかと当初は思いましたが、製品の特性上、製品の欠陥が事故につながり人命に関わるため、事故が起きないよう知見や根拠を積み上げて品質を作り上げる必要性があるのだとすぐに納得しました。

人より先に動くことで見えるもの

入社してからは一貫して同じ部署で、設計に関わってきました。現在の仕事では、規模の大きなプロジェクトでの仕事の進め方を経験できている実感があります。

一人で完結できる仕事であれば自分のペースで進めていけますが、ステアリングはシステム製品なので、機械部分、電気部分、ソフトウェアなど、それぞれを担当する社内部署やお客様,サプライヤーなどの大勢の人と仕事を進めていかなければならず、コミュニケーションや調整が欠かせません。

仕事のスケール規模が大きいと関係者も多くなり、担当者間の中間にある業務は、誰かが拾わなければ停滞してしまいます。そういった状況をいかに自分の周りからなくすか、というのが仕事をする中での一つのテーマだと認識していて、まず人より先に動くことを心掛けています。

担当者間で停滞しがちな業務を実際に手に取ってみると、この先どう進めていくべきかが少しずつ見えてきます。そうすることで周囲の仕事の流れをスムーズに保ち、その積み重ねがプロジェクト全体に良い影響を与えられるのではないかと思い、そういう動きを身に付けようとしています。

技術の前にある、意識と思考

技術課題は、そのお客様にとっての必要要件を明確にした上で、その要件を最初から設計に盛り込むことによって少なくすることができますが、必要要件はお客様ごとに異なるため、そこをしっかりと確認することが重要です。意識していても技術課題が発生してしまうことがありますが、試行錯誤の末に解決できたときは、大きな達成感があります。

開発製品にて問題が起きた際は解決に向けて原因を掘り下げていきますが、根拠を明確にせず、感覚的に判断してしまうと原因を見誤ることがあります。

また製品設計の場面で、設計仕様についてつい前例を踏襲したくなりますが、前例をただ踏襲するだけでは、根拠が抜け落ちがちになり、後に不具合につながることがあります。そのような状況に陥らないよう、根拠を持って考えることを意識しています。

採⽤活動中の⽅へのアドバイス

会社では学生時代の専攻分野と業務が一致しないことも多く、最初は苦労することもあると思います。論理的思考は分野に関係なく役立つので、身につけておくことをおすすめします。主観的なとらえ方や感情的な話を極力入れずに物事を客観的に考えることを繰り返していくと、論理的思考は身についていくのではないかと思います。