人を知る

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製品設計(電気電子)T.Y (2019年5月入社)

地道に緻密に繰り返す。
安全を守る責任と誇り。

ソフトウェア評価という仕事との出会い

電気電子系の学校で学び、派遣社員としてグループ会社のソフトウェア評価部署で働いていたとき、この仕事が自分に合っていると感じました。また働く中で、社宅や各種イベント企画など福利厚生が充実していることや、定期的にコンプライアンス教育を行っている点にも魅力を感じ、ぜひ正社員として働きたいと思うようになり、その後採用試験を受けて今に至ります。

ソフトウェア評価の仕事は、実際に製品を動作させてプログラムにバグや不具合がないか確認することです。意図した通りに動くかどうかを細かくテストし、イレギュラーな状況にも対応できるかを検証します。地味な作業をコツコツと積み重ねる仕事ですが、製品の品質を守るためには欠かすことができません。ソフトウェア評価の仕事はパソコンに向かうことが多いですが、実験室で実際にパワーステアリング(EPS)を動かしてテストを行うこともあります。

評価とは、EPSとは、品質とは

評価は品質を向上させていくために行いますが、そもそも品質が良いとはどういうことか。ISOでは品質について、使う側視点での「利用品質」と、作る側視点での「製造品質」の大きく二つに分けて定義されています。私は、品質に関しては、その使う側の目線に立ったときに「ユーザーが求めているものを提供できているか」が最も重要だと考えています。

ですが、ソフトウェア評価業務に携わった当初は「評価」という概念自体がよくわからず、EPSについても全く知らなかったため苦労しました。テストをするためには、テスト対象物に関して詳しくなくてはなりません。評価については書籍やWebサイトで学び、EPSについては社内資料や先輩に話を聞くなどして知識を得て、数年かけて理解を深めていきました。職場の方々は個性的で優秀な方が多く、質問しやすい環境のため、いろいろ教えていただきました。そのようにして、仕事を通じてソフトウェアテストのスキルや品質への考え方、EPSはもちろん、自動車全体に関する幅広い知識を得るに至りました。

現在では、テストを行い、不具合を見つけて品質向上に貢献するソフトウェア評価という仕事に、やり甲斐を感じています。

「最後の砦」としての誇りと責任

評価業務は数年かけて行われることが多く、年数が経つことにより最初の頃に実施したソフトウェア評価パターンが古くなってしまい、終盤に見直して全部やり直すことがあります。通常は分担して行いますが、事情によりその作業をほぼ私一人で担当しなければならなくなったことがありました。そのときはかなり大変でしたが、なんとかやり遂げたことで大きな自信につながりました。

ソフトウェア評価を行って何も問題がでないことがもちろん良いのですが、人間は完璧ではないのでどこかでミスを起こし、数十万から数百万行におよぶプログラムの中で思い通りに動かない部分が出てきます。最近では自動運転など機能が複雑化していることもあり、EPSの役割はますます重要になっています。もし、車の移動方向を決める部品が意図しない動き方をしたら、すぐに事故につながってしまいます。上司からよく「評価は最後の砦」と言われていたように、テストで見つけなければそのまま世の中に出てしまう可能性もあり、責任の大きな仕事だと自負しています。

採⽤活動中の⽅へのアドバイス

苦手な仕事や単純作業もある中で、自分なりの楽しみをどう見出すかが大事だと思います。私は単純作業の場合、プログラムを書いて自動化と効率化を図り、工夫を凝らすことで楽しみを作っています。自分で組んだプログラムが思い通りに動き、狙い通りの結果が得られたときには、大きな達成感があります。